1_ブロードキャストアドレスとネットワークアドレスの概要
IPアドレスは、各機器のネットワーク上の住所を表していますが、中には個別の機器を識別しない特殊なIPアドレスが存在します。それがネットワーク自体を表す「ネットワークアドレス」と、ネットワーク内の全機器を対象とする「ブロードキャストアドレス」の2種類になります。
ネットワークアドレスやブロードキャストアドレスを理解するには、前提としてサブネットの概念を把握している必要があります。サブネットとはIPアドレスをいくつかのグループに分割し、IPアドレスの管理と通信制御を最適化する仕組みです。
サブネットのイメージ

サブネットを二進数で表現したのがサブネットマスクであり、IPアドレスをネットワーク部分とホスト部分(各機器を識別する部分)の境界を示しています。(サブネットマスク上、ネットワーク部は1で表現し、ホスト部は0で表現します)

2_図解化
ネットワークアドレス ・・・ ネットワーク自体を表すIPアドレス

ネットワークアドレスを2進数で表記すると、ホスト部が全て0で表現されます。使用場面としては、主にネットワーク機器に設定されることが多く、例としてルータと呼ばれる通信を転送する機器が、どのネットワークに転送するかの制御に利用されます。
機器と機器を繋ぐネットワークには間にルータ等の様々な通信機器が存在しますが、各通信機器に個別PCのIPアドレスを登録して、通信先を制御することは大変です。そこで、サブネットで区切られたネットワーク単位(=ネットワークアドレス)で、通信を制御することが効率的な管理を実現しています。
ブロードキャストアドレス ・・・ ネットワーク内の全機器を対象とするIPアドレス

ブロードキャストアドレスを2進数で表記すると、ホスト部が全て1で表現され、サブネット内の全ての機器宛ての通信を取ることが出来ます。様々なケースで利用されており、ここでは「pingによる端末検出」を挙げて解説します。

pingって何ですか?

機器が正常な状態にある(例:停止していない)ことを確認するために使われる通信と思ってください。例としては、機器の監視を行うサーバから、ターゲットとなる機器にping通信を行い、機器が正常に起動していれば応答の通信を返すことで、稼働状況をモニタリングすることが出来ます。このping通信を行う際に、ネットワーク内の機器一つ一つに通信を行うのは手間となるため、ブロードキャストアドレスが使用されます。
(参考)pingによる端末検出
①1つの機器をターゲットとした疎通確認

②ネットワーク内の全端末を対象としてping通信を一つ一つ実施するのは大変・・・
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③そこでブロードキャストアドレスを使用して、疎通確認
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